（誰もいない、赤の部屋。）

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一週間くらい実家へ帰ってきます。
ごめいわくおかけします。　　　　白夜　赤
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…というメモをアパートの大家さんの部屋のポストへ放り込み、赤は終わってない宿題と学生証なんかを持って、実家へ向かい出発した。


…
…
…

…
ガチャリ。



「あれ　誰もいませんの…。一足遅かった、です。」

器用にも鍵開けをして勝手に入ってきた一人の少女が、閑散とした赤の部屋を見回す。
と、テーブルの上に

「これは…新幹線の券とお財布…」
丸ごと忘れ去られていたそれらが放られっぱなしになっていた。

「…勝手にお家から逃げ出した上、こんなおっきな学校に入学して大決戦とか危ないこといっぱいやっていて…
それなのに相変わらずおまぬけで、本当に頼りないのです…！
やっぱり紅が、しっかり頑張らなきゃ…！！」

何かを決意した面持ちで赤の忘れ物をひっつかむと、少女は部屋を出て行った。律儀にも外側から鍵も掛けて行った。
…しかし、不意に何かがポケットから滑り落ちたため…彼女も彼女で赤の部屋に忘れ物をしていってしまった。


誰も居ない赤の部屋には、学生証 だけ、残された。